購買決定は個人の特性、すなわち購買者の年齢とライフサイクルの段階、職業、経済状態、ライフスタイル、パーソナリティと自己概念によっても影響を受ける。
人が購入する製品やサービスへの好みは一生の間に変化するものであり、食べ物、衣服、家具、レクリエーションの好みが年齢と関係していることはよくある。購買行動はファミリー・ライフサイクル、すなわち家族が時とともに成熟していく段階によっても形成される。
マーケターはライフサイクルの段階をもとに標的市場を定義し、その各段階に合った製品やマーケティング計画を作成することが多い。例えば、生命保険などの商品は家族のライフサイクルに合わせて商品設計が行われている。
このような若い独身者層であるとか、子供のいる若い夫婦層といった標的市場とすべきライフサイクルの段階のとらえ方は昔からあるが、今日では従来の考え方に当てはまらないライフサイクルの段階にマーケターの関心が集まっている。例えば、未婚のカップル、晩婚の夫婦、子供のいない夫婦、同性同士のカップル、シングルマザーなど、少しでも自らが提供する製品やサービスの好みとライフサイクルの段階とがあったニッチな層にターゲットを絞ろうということである。
人それぞれの際立ったパーソナリティーも購買行動に影響を与える。パーソナリティーとは、個人に特有の心理的特性であり、その人が自分の環境に対して比較的首尾一貫した反応を継続的に示す根拠となるものである。
パーソナリティーに関する概念、すなわち自己概念(自己イメージ)は、多くのマーケターに利用されている。基本的な自己概念の前提として、持ち物はその人のアイデンティティーを形成する一因となり、その人のアイデンティティーを反映するということがあげられる。要するに、その人の持ち物を見ればその人が分かるということである。その人が持っている本を見れば、その人はどんなことに関心があるかが分かるし、時計やバッグ、服など身につけているものを見れば、その人がどういったものが好みであるかが推測することができるわけである。
そのため、マーケターは消費者行動を理解するために、まず消費者の自己概念とその持ち物との関係を理解しなければならない。このことについて、アメリカの出版最大手であるバーンズ・アンド・ノーブル社の創設者兼社長は、消費者の自己のイメージを確固たるものとするために本を買うと指摘している。
「本は読むためのものと思っている人がいますが、それは間違いです。自分の好みや教養、いかに流行に敏感かを示すために人は本を買うのです。ですから、私たちは本を消費財として、人を引き付けるディスプレイや派手なポスター、本の魅力を強調したコピー、ベストセラーや流行作家の本を持つファッション性によって売ることができるのです」。」
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