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マズローの欲求5段階説の通りにはなかなかならない

 なぜ、ある人は日々の生活のために、またある人は他人から評価されるために時間やエネルギーを費やすのだろうか。それは、人が何らかの行動を起こす動機には人それぞれの持つ欲求があるからだ。
 
 マズローは、人間の欲求(ニーズ)には階層があり、重要なものから順に生理的ニーズ、安全のニーズ、社会的ニーズ、自己尊重のニーズ、自己実現のニーズという5段階のニーズがあるとした。そして、人は一番重要なニーズから先に満たそうとし、ニーズが満たされるともはや動機ではなくなるため、次に重要なニーズを満たすことに気持ちが傾く。これが「マズローの欲求5段階説」と呼ばれるものだ。

 たしかに、日々の生活の安全が確保されていないレベルで自己実現の欲求があるかと言われれば、まずは安全の確保に優先順位をつけようとする気持ちが働くのが普通だろう。
 しかし、マズローが言うように、階層における下位の欲求が満たされなければ上位の欲求を満たそうとしないかというと一概にそうではない。人によっては、いかに貧しくても、自らどうなりたいかという自己実現の欲求であるとか、いかに社会に貢献するかということを第一に考えて行動する人もいるだろう。
 また、どういった欲求に重きを置くかは人によって異なるという面もあるだろうし、順に欲求を満たすものではなく、同時に求めていくということもあるだろうし、その時々に置かれた状況によっても違ってくるのが現実だ。
 そもそも人によって欲求に対しての価値観が異なるので、何がその人にとってより重要なものであるかは人それぞれなので、必ずしもこのマズローが言っている5段階の順序でニーズが満たされていくということにはならない。
 
 ただ、このマズローの動機理論は、マーケティングを行う側からすると、消費者の購買への動機づけになるものとして、自社の商品が人のどういったニーズを満たすことを目的にしたものであるかを認識し、またさらに購買を継続的に高めていくためにはよりニーズの階層が高いものを提供していくような施策を講じていこうとする際の一つの参考にはなるだろう。

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