- 2010-07-19 (月) 0:21
- マーケティング
集客できさえすればなんとかなる。それを信じ、従来のマーケティングの考え方では、とにかく新規顧客を集客することを重視していた。来店してもらうために広告宣伝に多大なコストをかけてきた。かつて市場自体が成長していた時代ではそれでもよかったが、今ではいくら宣伝して、来店しても買わないものは買わないようになってきている。
現在でも見込み客を集客することがマーケティングの重要な業務であることに変わりはないが、その焦点はいわゆるリレーション・シップマーケティングへと移っている。リレーションシップ・マーケティングとは、顧客や出資者との強力な関係を築き、維持し、高めていくことである。
企業においても、これまではその時々の顧客を獲得して売上に結び付けることを重視した経営を行ってきたが、今では、短期的な売上目標を達成すること以上に中長期的な顧客との関係を築くことに力を入れはじめている。既存顧客との取引を継続的に行い、それを維持し、高めていくということを重視するようになってきている。つまり、顧客の生涯価値(ライフタイム・バリュー)をどう高めるかということにマーケティングの重点が置かれるようになってきている。例えば、再春館製薬所では顧客を「生涯パートナー」と位置付け、顧客の生涯価値を高めていくことを企業理念としている企業もある。
”お客様との末永いお付合いをめざす私たちにとって何よりも大切なもの、それは心からの信頼をいただくことです。信頼は一朝一夕には生まれません。正直な行いの積み重ねによってのみ得られるものです。だから私たちは、常に率直に誠実に、お客様とともに歩みます。”
http://www.saishunkan.co.jp/profile/
なぜ、そういう方向に戦略がシフトしていくのだろうか。人口構造の変化、市場の成熟化、競合の激化、コスト削減、様々な理由があるが、一番重要なのは、市場との関係性が変わってきたこと、つまり、企業と顧客との関係が、売る側と買う側という対立した関係から、ともに価値を共有する関係に変わってきたことがある。価値を共有するためにはその場限りのものではなく、理解しあうための時間も必要であり、継続的なものでなければならない。
新たな時代におけるマーケティング戦略も、企業の立場で考えた売るためのものではなく、顧客との信頼関係を築くための戦略という考え方でなければならない。
近道を歩もうとせず、時代が変わっても、世の中が変わっても決して変えないものがあってもいい。
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