顧客満足という言葉はよく使われているが、実はその定義がちゃんと理解されていない場合が多い。
顧客満足とは、ある製品に抱いていた購買者の期待と、それを手にしたときに感じられたパフォーマンスが一致している度合いをいう。つまり、顧客満足は、購買者の期待に対する製品の実際のパフォーマンスによって左右される。例えば、製品のパフォーマンスが期待にそぐわなければ購買者は不満を感じるし、パフォーマンスが期待通りであれば満足を感じ、期待以上であれば非常に満足したり、喜びを覚えたりする。
では、購買者は何を基準にして期待を抱くのだろうか。期待とは、顧客の過去の購買経験や、友人の意見、マーケターや競合他社の情報に基づくものである。
顧客満足は、事前に抱いた期待と実際のパフォーマンスの関係なので、マーケターは消費者が適切なレベルの期待を抱いてくれるよう、慎重にならなければならない。
仮に期待のレベルを低く設定し過ぎると、購買者は相対的な満足感は得られるかもしれないが、期待するレベルが低いために十分な数の顧客を引き付けることができないこともある。逆に、期待のレベルを高く設定し過ぎた場合、期待外れということで購買者は不満を覚える可能性が高い。最近では、事前にあおることばかりに力を入れて、実際の製品が大したものではないものが多いが、そういう場合は顧客は二度と戻ってこないことになる。
今日、最大の成功を収める企業は、期待を増大させ、それに見合ったパフォーマンスを提供している。そうした企業は完全な顧客満足という考え方を取り入れている。例えば、ホンダは「顧客が非常に満足する理由の一つは、わが社が満足していないことによる」と主張している。
しかし、企業にとっては顧客満足の最大化が目的ではない。顧客満足を高めるためには、価格を安くしたり、サービスの量や質を高めることが考えられるが、一方では収益性が低下することもある。単に安売りをして顧客を引き付けようとしても、その場しのぎの対策となり、長い目で見れば自社の体力を奪っていき、結局は満足させられるようなビジネスが継続できないことになるという例はたくさん見られる。
したがって、収益性を向上させる顧客価値を生み出すことがマーケティングの目標となる。この点については非常に微妙なバランスが要求される。マーケターは「自社を安く売る」ことなく、より一層多くの顧客価値と顧客満足とを創出し続けなければならない。 この投稿にタグはありません。
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