CREATE DREAM
なぜ私はこんなものを買ってしまったのか
買った後でよくよく考えてみると、なぜこんなものを買ってしまったのかと自分がよく分からないことがあるだろう。別にその商品が欲しくて欲しくてたまらなかったわけじゃない、でも買ってしまった。
精神科医である心理学者フロイトは次のように推測した。
人は自分に行動を促す本当の動機をほとんど意識していない。人は成長すると多くの衝動を抑圧するようになるが、そうした衝動は決して完全に排除されたり、コントロールされたりするものではない。むしろ、抑圧しようとすればするほどそれを求める欲求は心の中で強くなっていく。そのため、そのことが夢に出てきたり、言葉の端々にあらわれたり、神経症的、あるいは妄想的行動、ついには精神障害となってしまうことさえある。
つまりフロイトは、人が自分の動機を完ぺきに理解することはできないと考えた。その人が抱えている深層心理が自分でも意識していない動機に結び付いているということだ。
これをマーケティングの視点でとらえると、マーケターは少数の消費者サンプルから深層の情報を収集し、彼らが製品を選ぶ際の隠された動機が何であるかを知ろうとする。これをモチベーション・リサーチという。言ってみれば、よくある心理テストのようなものである。
モチベーション・リサーチは消費者行動をより深く理解するための有用な手段であるとは言えるが、そこから導き出されたものはあくまでも仮説に過ぎず、本当に消費者の購買行動に結びつく動機なのかどうかは実証してみる以外にない。
消費者行動に影響を与える特性:心理的特性
購買の意思決定は、さらに動機、知覚、学習、信念と態度という4つの主な心理的特性からも影響を受ける。
動機
人はどのような時でも、たくさんのニーズをもっているものである。例えば、空腹、のどの渇き、身体的不快感といった緊張状態から生じる生理的ニーズもあれば、認識、尊敬、帰属といった心理的ニーズもある。しかし、こういったニーズのほとんどは、人をある時点で行動に移させるほど強烈なものではない。ニーズがある一定のレベルに達すると動機となる。動機は一種のニーズであり、このニーズを感じると、人はその充足を切実に求めるようになるのである。
知覚
人は動機に促されると行動を起こそうとする。人がどのように行動するかは、状況をどのように知覚するかによって決まる。人はいわゆる五感で感じた情報を受け取り、認識するプロセスを知覚という。
同じ情報を受けても感じ取り方が人によって違うのは、知覚に選択的注意、選択的歪曲、選択的記憶という3つのプロセスがあるからである。人は日々膨大な量の刺激を受ける。普通の人は1日に1500種類もの広告を目にしていると言われるが、こうした刺激のすべてに注意を払うことは不可能である。選択的注意とは、さらされている情報の大k中をふるい落としてしまう傾向のことをいう。選択的歪曲とは、すでにもっている信条に合うように情報を解釈してしまう傾向のこと。選択的記憶とは、人は学んだことの多くを忘れてしまうが、自分の態度や信念の裏付けとなる情報は記憶するというものである。
以上のように、選択的注意、歪曲、記憶といったプロセスがあるため、マーケターはメッセージが正しく伝わるように努力を欠かしてはならない。
おもしろいことには、メッセージがきちんと届いているのだろうかとマーケターの多くが気をもむ一方で、消費者の方は、いわゆるサブリミナル広告のようなものを通じて、気づかないうちにあるメッセージの影響を受けているのではないかと心配している。
ここでサブリミナル広告について紹介しよう。
1957年、あるリサーチャーがニュージャージー州の映画館で「ポップコーンを食べよう」「コカ・コーラを飲もう」というサブリミナル・メッセージを入れたと発表。見ていた人は、無意識下で影響を受け、ポップコーンが58%増、コカ・コーラが18%増の売れ行きとなった。これについて、消費者団体は洗脳されるのではないかという不安の声が起こり、カリフォルニア州とカナダでは法律で禁止された。
心理学者や消費者研究家が多数の研究を行ってきたが、サブリミナル・メッセージが消費者の購買行動に何らかの影響を与えるということを証明できた者は誰もいない。実際には、批評家が指摘するような影響力など、サブリミナル広告は持ち合わせていないようである。ある広告代理店の幹部は、「私たちは30秒広告を利用してさえ、消費者をその気にさせるために随分苦労しています。300分の1秒などという時間で、一体何ができるのでしょうか」と語っている。
学習
人は行動を通して学習する。学習とは、経験によって個人の行動が変化することをいう。学習理論の研究者によると、人間の行動の多くは学ぶことによって身につけたものであるという。
では、学習理論はマーケターにとって、どのような実用的意味をもつのだろうか。それは製品と強力な動機を結び付け、動機を生み出すきっかけを利用し、反応を公的的な方向に強化することによって、製品の需要を高めることができるという意味をもつ。
信念と態度
信念は実際の知識、意見、確信を基盤とするものであり、必ずしも感情的な意味合いが含まれているとは限らない。
人々が特定の製品やサービスに対して抱く信念にマーケターが関心をもつわけは、信念が製品やブランドのイメージを作り上げ、それが購買行動に影響を与えるからである。
態度とは、人がある対象や考え方に対して抱く比較的持続する評価、感情、傾向のことである。
態度を変えさせることは、極めて難しい。個人の様々な態度には一定のパターンがあり、一つの態度を変えるためには、他の多くの態度を調整しなければならないからである。
しかし、アメリカでは1994年まで25年間牛乳の消費量が減少傾向にあったが、ロッドマンなどの人気スポーツ選手などの有名人を起用したキャンペーンを行うことにより、牛乳の消費量は減少を食い止めるどころか、増加させたという例もある。このように、態度を変えさせようと多くの努力を払った結果、首尾よく見返りを得ることができたという例外的なケースもある。
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消費者行動に影響を与える特性:個人的特性
購買決定は個人の特性、すなわち購買者の年齢とライフサイクルの段階、職業、経済状態、ライフスタイル、パーソナリティと自己概念によっても影響を受ける。
人が購入する製品やサービスへの好みは一生の間に変化するものであり、食べ物、衣服、家具、レクリエーションの好みが年齢と関係していることはよくある。購買行動はファミリー・ライフサイクル、すなわち家族が時とともに成熟していく段階によっても形成される。
マーケターはライフサイクルの段階をもとに標的市場を定義し、その各段階に合った製品やマーケティング計画を作成することが多い。例えば、生命保険などの商品は家族のライフサイクルに合わせて商品設計が行われている。
このような若い独身者層であるとか、子供のいる若い夫婦層といった標的市場とすべきライフサイクルの段階のとらえ方は昔からあるが、今日では従来の考え方に当てはまらないライフサイクルの段階にマーケターの関心が集まっている。例えば、未婚のカップル、晩婚の夫婦、子供のいない夫婦、同性同士のカップル、シングルマザーなど、少しでも自らが提供する製品やサービスの好みとライフサイクルの段階とがあったニッチな層にターゲットを絞ろうということである。
人それぞれの際立ったパーソナリティーも購買行動に影響を与える。パーソナリティーとは、個人に特有の心理的特性であり、その人が自分の環境に対して比較的首尾一貫した反応を継続的に示す根拠となるものである。
パーソナリティーに関する概念、すなわち自己概念(自己イメージ)は、多くのマーケターに利用されている。基本的な自己概念の前提として、持ち物はその人のアイデンティティーを形成する一因となり、その人のアイデンティティーを反映するということがあげられる。要するに、その人の持ち物を見ればその人が分かるということである。その人が持っている本を見れば、その人はどんなことに関心があるかが分かるし、時計やバッグ、服など身につけているものを見れば、その人がどういったものが好みであるかが推測することができるわけである。
そのため、マーケターは消費者行動を理解するために、まず消費者の自己概念とその持ち物との関係を理解しなければならない。このことについて、アメリカの出版最大手であるバーンズ・アンド・ノーブル社の創設者兼社長は、消費者の自己のイメージを確固たるものとするために本を買うと指摘している。
「本は読むためのものと思っている人がいますが、それは間違いです。自分の好みや教養、いかに流行に敏感かを示すために人は本を買うのです。ですから、私たちは本を消費財として、人を引き付けるディスプレイや派手なポスター、本の魅力を強調したコピー、ベストセラーや流行作家の本を持つファッション性によって売ることができるのです」。」
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消費者行動に影響を与える特性:社会的特性
人間の行動は、様々な小さな集団の影響を受けている。集団の中でも、個人が所属し、その行動が直接影響を受けるようなものを所属集団と呼ぶ。一方、準拠集団と呼ばれる集団は、個人がその態度や行動を決定する際に直接、あるいは間接的に参考としたり、比較対象としたりする集団である。人はまた、自分が所属していない集団の影響も受ける。例えば、個人が所属したいと願う希求集団がその一つである。
集団が及ぼす影響力は製品やブランドによってまちまちであるが、消費者が大切だと思う人の目に触れる製品であれば、集団の影響力は最も強くなる。したがって、集団影響力が強く作用すると思われる製品やブランドを扱う場合、メーカーはいかにしてオピニオン・リーダーにアピールするか検討しなければならない。オピニオン・リーダーとは、準拠集団内の人々のうち、特別な技術、知識、パーソナリティといった特性を持ち、他者に対して影響力を持つ人物のことである。
多くのマーケターはオピニオンリーダーを探り出し、彼らに製品をアピールし、ダイレクト・マーケティングを展開しようと考える。一方では、広告にオピニオン・リーダーの役割を与えて、消費者が他者のアドバイスを参考にしなくて済むようにしている。
一つの例をあげると、リーバイスはそれまでのユーザーを奪われ、苦戦を強いられていた。そこで、売上を盛り返そうと、クラブの常連、スタイリスト、フォトグラファー、ディスクジョッキーといった都会の流行に敏感な人たちと、同社の広告代理店が送り込んだ社員とを接触させ、ネットワークを築き上げた。このような働きかけにより、リーバイスは売上を盛り返すことに成功した。
日本では、十代の若者をターゲットに渋谷でアンケートをとったり、読者モデルになってもらったりして同世代の友達にファッションを広げることを期待したマーケティング手法は当たり前のように行われている。また、最近、流行しているウィスキーを炭酸で割ったハイボールも、昔流行したものではあるが、有力ブロガーにハイボールの作り方などを教えてブログに書き込んでもらったことがきっかけとなって広まっている。
集団が及ぼす影響力は製品やブランドによってまちまちであるが、購買者が大切だと思う人の目に触れる製品であれば、集団の影響力は最も強くなる。例えば、自分がいつも一緒にいる友達の前で着るファッションなどは、そういった自分が憧れとするモデルやタレントなどの影響が強いし、そもそもその友達がしているファッションと同じようなものでありたいと思う気持ちが強くなる。
逆に、個人的に買い入れて使い製品の場合には、集団の影響力は受けにくい。例えば、毎日食べるものや日用品など、個人で使うものは他人の目に触れないからである。
このように、消費者の購買行動は自分が所属する集団という特性に大きな影響を受けるのである。
家族は購買者の行動に強い影響を持つため、消費者購買集団として社会の中で最も重要視され、徹底的に調査されている。例えば、マーケターは、夫、妻、子供が様々な製品やサービスの購入に際して、どのような役割を果たし、影響力を持つかに関心を抱いている。
購買行動に対する夫と妻との関与の度合いは、製品カテゴリーや購買プロセスの段階に応じてかなり異なる。また、購買にかかわる両者の役割も、消費者のライフスタイルの進化とともに変化する。
かつては、女性は主に家事を引き受けていたが、女性も外で働くようになり、購買力を持ち、かつては男性が購入すると思われていた製品についても女性が買いやすいような工夫を凝らすようになってきている。例えば、調査の結果、高級自動車市場の34%を女性が占めることが分かると、キャデラックは以前よりも女性へのマーケティングに力を注ぐようになった。キャデラックの男性カーデザイナーは爪の先にクリップを付けてボタンやノブなどを操作し、長い爪の場合の操作感や他のインテリアの機能を試すなどしている。
子供も家族の購買意思決定に強い影響力を持っている。日本でのホンダや日産のミニバンのCMを見れば分かるように、子供にも訴求し、子供と遊ぶ家族像をイメージしたものとなっている。子供が「お父さん、僕これがいい。絶対これ買って。これでお父さんと遊びに行く」。そう言われた父親で多少なりとも心を動かされない人はいないだろう。
もちろん、妻の影響力は絶大だ。携帯電話で夫が自分一人だけ違うキャリアに変えることは非常に難しい。家を建てるともなると、どのような家にしたいかはほとんどが妻の意見によるものになる。
マーケターは、直接の購買者ではなく、誰が購買の意思決定を行うのか、また誰がそれに影響を与えるのかを考えたマーケティングを行うことが重要になる。そういった点で、とくに集団や家族という顧客の意思決定に影響を与える社会的特性には十分気を配らなければならない。
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消費者行動に影響を与える特性:文化的特性
消費者行動に影響を与える諸特性には、文化的特性、社会的特性、個人的特性、心理的特性などソーシャル的なものからパーソナルなものまで様々な特性がある。
中でも、消費者の購買行動のすべてにわたって最も強い影響を与えるものは、文化的特性である。そのため、マーケターは購買者の文化、サブカルチャーなどについての理解が必要となる。
文化とは、人間の欲求や行動を決定する最も基本的な要因である。人間の行動の多くは学習によって身につけたものである。子供は社会の中で成長するにつれ、家族などの重要な組織から基本的価値観、知覚、思考、行動を学びとる。そして、人間は自分が生まれ育った文化に影響を受けながら、それを自覚しているかどうかは別として、購買の意思決定を行っている。
あらゆる集団や社会には、それぞれの文化があり、それが購買行動にどのような影響を与えるかは国によって大きく異なっている。こうした違いに適応することができなければ、効果的なマーケティングは望めないし、とんでもない失敗を犯すこととなる。例えば、国によって宗教や制度が違う。とくに海外に進出する企業にとっては、違う文化を持つ国においては、自国でやったやり方がそのままでは通用しないということを念頭に置かなければならない。その国の文化を最大限に尊重しながら、対応していかなければ雇用も、生産も、流通も、そして販売もうまくいかないのは明白である。
また、人々はその時代の文化、時代の流れにも大きな影響を受ける。マーケターは人々がどのような新しい製品を求めているか知るために、文化が移りゆく方法を常にとらえようとしている。いわゆる時代のトレンドである。例えば、健康に対する関心が高まる方法へ文化が移って行った結果として、エクササイズ器具やウェア、低脂肪の自然食品、スポーツクラブなどの巨大産業が誕生した。
以上のように、文化という特性は消費者の購買行動に大きな影響を与えるものであり、そこにマーケティングの機会を発見するようにすることがビジネスの成功の鍵でもある。
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確かに、つまらないですね。片思いも、両思いも自然体で!RT @oohashi: つまらんなあ。批判が出て当然。 "“片思い相手”を自動リムーブ AXEのTwitterキャンペーン、批判受け中断 - ITmedia News" ( http://bit.ly/b5FEKl )
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